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2014年5月 ふるさとだより 「筍」

筍
 私の地方では5月に入ると孟宗竹の筍が生える。少し遅れて真竹の筍も生えてくる。孟宗は煮付に、真竹は新ジャガと味噌汁になって、子供のころは毎日食べさせられた。今や子供も減り、空地や周辺に広がる筍は厄介者である。昔はどこの村にも篭屋さんがいて、竹を細工して篭や笊などの日用品を作っていた。田のおだをはじめ、日常生活に竹はなくてはならない材料だった。便利さと効率の名のもと、それらはいつの間にか石油製品に代わってしまっている。もったいないと思いつつ、厄介者と成り果てた筍を切り捨てながら、何か大切なものを失ってしまったように感じるのは私だけだろうか。
作家紹介
宇留野 信章(うるの のぶあき)
茨城大学教育学部 中学校教員養成課程 美術科卒業。茨城県立太田第一高等学校、茨城県立水戸商業高等学校、茨城県立山方商業高等学校、茨城県立佐和高等学校、茨城県立水戸第二高等学校にて芸術科美術担当として勤務。水戸市展、茨城県展、一陽展に出品。1992年 第38回一陽展 奨励賞受賞。1993年 第39回一陽展 奨励賞受賞。2012年 第58回一陽展 会員賞受賞。現在、茨城県美術展覧会及び一陽会会員。
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